医務官からの医療情報(運動について)

嘉川裕康(在カンボジア大使館医務官)

  今回は、肥満について面白い記事があったので紹介したいと思います。 中年の肥満は、痴呆リスクを高める。
  最近米国の研究グループが、中年の肥満は後年の痴呆のリスクを高める可能性があると報告しています。グループは27年に及ぶ1万276例のデータを解析 し、中年の肥満が将来の痴呆のリスクに与える影響と、皮下脂肪が痴呆と関連するかを調べました。通常の体重の人に比べ、肥満の人は将来74%痴呆になりや すく、特に肥満女性は、通常体重の女性に比べ痴呆のリスクは200%も増加していました。これは中年や高齢での心血管疾患や糖尿病の存在に関係なく、痴呆 のリスクの増大に強く関係していました。また背中上部と上腕の皮下脂肪厚が大きいと痴呆のリスクが強くなると報告しています。
  適度な運動は、肥満対策として最も効果的な方法の一つである。肥満以外に糖尿病や高脂血症にも効果があります。多忙で疲れがちな現代人に、運動を生活の中 に取り込もうと、厚生労働省は普及対策に乗り出しています。成人男性の日常の歩数は、国の健康日本21計画が目標に掲げた一日9200歩以上に対し、残念 なことに1997年が約8200歩、2002年は約7800歩に減っています。
  一般に勧められる運動は、有酸素運動といって最高にきつい時の脈拍数を100%とすると、40〜60%の強さ(楽にできる〜ややきつい)、例えば、歩くこ とや、サイクリング、ジョギング、水泳などです。体重60kgの方が100キロカロリーの運動をするには、ウオーキング(速歩)約25分、自転車こぎ(平 地)約20分、ジョギング約10分、水泳(クロール)約5分が目安です。ちなみに缶コーヒー1本で67キロカロリー、きつねうどんで380キロカロリー、 カツ丼で900キロカロリーですので、運動はそれ程カロリー消費の期待はできません。しかし、運動はブドウ糖の利用が増え、インスリンの効きがよくし、ス トレス解消、体力心肺機能の向上など多くの効果があります。脂肪がエネルギーとして使われるのは、運動を開始して15分から20分してからなので、できれ ば30分くらい運動を続けて頂くのが大事と思います。
  私も最近お腹のまわりの脂肪が気になり、朝のジョギングを始めました。  最初の一ヶ月間全く体重はかわっていません。しかし、先日の健康診断でコレステ ロールが250mg/dl(今年4月)が200mg/dlに改善し喜んでいます。

以上