医務官からの医療情報(サプリメント)

嘉川裕康(在カンボジア大使館医務官)

  先日日本に帰り、コンビニでたくさんのサプリメントが売られているのにびっくりしました。私は一度も買ったことはないのですが、若い人は食事と別に多くの サプリメントを摂っているそうで、私としてはご飯で十分だと思うのですが、理解に苦しみます。
  サプリメントとは英語でsupplement(追加、補足)という意味で、一般に栄養補助食品をさし薬品ではありません。食品に分類されるので、誰でも自 由に制限がなく利用できるので安全性に注意が必要です。過剰摂取、長期摂取、科学的根拠のない利用、アレルギー体質、小児・妊婦の利用、医薬品との相互作 用等注意も必要です。ビタミン類、ミネラル類、脂質、食物繊維、たんぱく質、炭水化物、ビタミン様物質(コエンザイムQ10、カルニチン)ハーブ類(例え ば、イチョウ草、エキナセア)、動植物の成分・抽出物(フラボノイド、ステロール)等が当てはまります。
  コエンザイムQ10は強力な抗酸化物質で、ビタミンEの働きを助け老化の原因となる酸化を防ぎます。化粧品の原料として人気が高く、最近コエンザイム Q10が多く含まれるイネも開発されています。動脈硬化の防止にも期待されましたが、ヒトが経口摂取しても効果は少ないとして心血管疾患の予防・治療には 奨励されていません。しかし意外に睡眠時無呼吸症候群や、いびき抑制に効果があるそうです。アガリクス「別名ヒメマツタケ」は抗癌作用があると言われまし たが、ヒトでの有効性や安全性は証明されておらず、ある製品でのラットを用いた試験で、ほかの発癌物質に働いて発癌を促進する作用が確認されています。大 豆イソフラボンは女性ホルモンと似た働きをするので、骨粗鬆症の予防や改善、乳癌や前立腺癌、心臓病の予防、高血圧の改善などの効果が期待されています。 しかし過剰摂取すると逆に発癌を高める可能性もあり、妊婦や15歳未満の子供には勧められません。それ以外に、アロエやセンナ茎を使ったダイエット茶の下 剤作用や、サフラン大量摂取は子宮を刺激するので妊婦は避けたほうがよく、葉酸は神経管閉鎖障害の発生リスクを減少させるので妊婦に奨励されています。軽 微ながらも有意に血糖降下作用を有する「血糖値が気になる方の食品」と表示されているものは、糖尿病薬との併用は避けるべきです。(独)国立健康・栄養研 究所は、健康食品の安全性情報ネットワークを立ち上げ「健康食品の安全性・有効性情報」というサイト(hppt://hfnet.nih.go.jp)を 開設して健康食品に関連した情報提供をしていますので、一度ご覧になってください。