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あなたもまた狙われていますよ(No.2)
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木村秀美(安全対策担当理事)
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| 今回は今から6〜7年前に「東洋と西洋が交わると国」と言われているトルコの首都イスタンブルで出遭った二つの事件です。 | ||||||||||||||
| 私は1960年(昭和35年)学校を出てからこれまでの約40年間に30を超える世界の国々を仕事で或いは遊びで訪れました。その間には実際に自分が被害にあったことや自分の周囲の日本人が数多くの被害にあっています。今年5月以降日本人会の安全対策の担当理事をやっていますが、この機会に多少自分では躊躇するところもありますが、これらの苦い経験をここで数回に分けてお披露目して皆様の安全対策のご参考にしていただければと思います。 | ||||||||||||||
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| これは同僚と会社が副原料として使用するトマト・ペーストの買い付けにトルコへ出かけた時の出来事です。イスタンブルに着いたのは日曜日の朝でした。一般的に社用での出張は月曜日から仕事を始めるために、土曜日や日曜日の個人の時間を全く犠牲にして、日曜日の夕方までに現地へ入るのが普通です。夕方までホテルの部屋で夜行便の疲れを癒して、夜の食事は外ですることにしました(ホテル内のレストランでの食事は高い)。 | ||||||||||||||
| ホテルを出てキャバレーを歩いて探していた時、私どもは大きくてきらびやかなネオン瞬く豪華なレストランの前を通っていました。その時身なりのパリッとした紳士が中から出て来て「お客さんこんばんは、これからお食事ですか?食事なら当店でどうですか?何でもお好きなものが揃っております。」と流暢な英語で話し掛けて来ました。 | ||||||||||||||
| 普通はこのような呼び込みは相手にしない私ですが、予てからトルコへ行ったら例の「ベリー・ダンス」を見ようと話し合っていた矢先なので「食事は他でするがベリー・ダンスだけは見られるか?」と聞くと、「大丈夫だ。ショウだけでも見える。」との返事であった。「食事をした後で戻って来る。」と言って、そこから少し離れたステーキ・ハウスでボリューム一杯のステーキをお腹に入れ満足してホテルへ戻ろうとして、このレストランを出たところでなんとさっきの紳士が我々を待っていたではありませんか。それではこれからベリー・ダンスのショウが見える店へ案内すると言って通りがかりのタクシーを停めて我々をその中へ押し込めた。乗った車は先程歩いたキャバレーの前を通り過ぎて町の方へと向かっていました。この時これはちょっとおかしいと思い、かの紳士に「どこへ行くの」と問いただしたが彼は「ベリー・ダンス、ベリー・ダンス」と繰り返すのみであった。車は40分位走って、やっとそれらしき店に案内された時には時刻は午後9時を少し回っていた。 | ||||||||||||||
| 日曜日で客は一人も居なかったがルーマニアとギリシャから来たと言うウェイトレスが二人出て来て横に座った。「あなたは何を飲むか」(少し英語が訛っている)と聞かれたのでコーラーを一本づつ頼み、彼女らは「私達もドリンクを飲んでよいか?」と聞いて「私達はワインにするわ」と言って勝手にワインを1本ボトルで注文した。そうこうしている間にも一向にショウが始まる気配もなく、何度聞いても「もうすぐ始まる。」と言うばかりであった。かれこれ2時間を経過して時計は既に午後11時を指していた。我々は明日の仕事があるのでこれ以上長居はできないとして、勘定書を請求して持って来られた請求書の金額を見てびっくり仰天。請求金額はコーラー2本とワイン1本でなんとUS$換算で900ドル余りではないか。 | ||||||||||||||
| 請求書の明細が無いので明細を要求したらワインは輸入品で高いと言う。そこでドリンクのプライス・リストの提示を要求すると、なんとなんとお客が飲むドリンクとウェイトレスが飲む同じ種類のドリンクでも値段が違って(二重価格?)いるではないか。後者の方が非常に高くなっている。 | ||||||||||||||
| 納得出来ず大声で文句を言っていたら、知らない間に我々より20センチは背が高いと思われる屈強の男達4〜5人に取り込まれていて席から立つことも出来なくなっていた。この時気が付いたのだが(いつものことながら気が付くのが遅い)我々を案内してきたくだんの紳士(?)は知らぬ間に消えていた。 | ||||||||||||||
| 多勢に無勢でしかも敵地で戦いを挑んだのでは勝ち目なしと判断して、我々の二人はポケットにあった小銭を含めた有り金全部を出して何とか支払いは出来た。この様子を見て彼等はクレジット・カードでも払えると言ったが、このような店でカードを見せたら何が起きるかもしれないと警戒してカードは持っていないと誤魔化した。 | ||||||||||||||
| 何とか支払いを済ませたら「コーヒーでも飲んでいくか?」と聞かれ、同僚は「タダか?」と聞くと「そうだ。サービスだ」と言う。実は私も長時間の大声での値引き交渉でのども渇いてコーヒーの一杯位は飲みたかったが、万一このコーヒーの中に睡眠薬でも入っていたらヤバイと思って、しぶる同僚を説得して直ぐ店を出た。店の前の表通りには人影も無く、タクシーが1台待っていたが、これもやつらの仲間だったら危険と考えて、そこから1KM位歩いて別の通りでタクシーを拾ってホテルへ深夜の12時過ぎに辿り着いた。 | ||||||||||||||
| この時の教訓のために、その店からこっそりと持ち出した飲み物のプライス・リスト(彼等はこの価格表は税務当局の承認をもらった正式のものだと言っていたが、後で明るいところでよく見たら安物のコピー機を使ってコピーしたどうも偽ものくさい代物でした)を今も家のどこかに大事に保管しています。身なりの良い一見紳士風で英語が上手な男には注意が肝要です。 | ||||||||||||||
| ≪ 教訓 ≫ | ||||||||||||||
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(日本人会だより2000年12月号より抜粋)
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