あなたもまた狙われていますよ(No.4)
 
木村秀美(安全対策担当理事)
今回はこれまで数多くのミス・ユニバースやミス・ワールドを送り出している南米のベネズエラでの事件です。
 
事件簿4: 1. 出張の初日に到着した国際飛行場で命の次に大事なパスポートを盗まれてしまいました。さてどうしまあしよう?
2. 予約はありません。満席です。ファーストクラスなら何とかしますが?
 
これは数年前、会社のマレー人(購買担当)のN係長を連れてベネズエラ,メキシコ,米国 西海岸のロサンゼルスを訪問した時のことです。私共二人はシンガポールから成田、ロス経由で夜行便,夜行便と乗り継いで、シンガポールを出発してから30数時間の後の昼頃ベネズエラの首都カラカス国際空港に到着しました。私共はそこからさらに国内線に乗り換えてクマナ (Cumana)と言う町へ移動することになっていました。
 
後進国にありがちな風景ですが、カラカス空港の国際線到着ロビーは人でごったがえして いました。夜行便の長旅で、眠気の去らぬまま先ずは入国審査を終えて、サンプルの一杯入った 重い荷物をピックアップしてトロリーに載せ、国内線ビル(大分離れたところにあって20分位は歩いた)内の国内線のチェックイン・カウンターまで移動した。チェックインをしようとしたら第一の問題が発生しました。カウンターの担当者曰く「満席です。あなた達の予約はない。」 「それはおかしい。私共はマレーシアでちゃんと予約してある。予約の確認もこの通りある, よく調べてくれ」との要求に担当者曰く「予約はない。エコノミーは満席だが,でもファーストクラスなら何とかしてやるが?」と言う。クマナまでの飛行機は一日に一便しかないので、どうしてもこの飛行機に乗らねばならない。やむなく追加料金プラスα(後で、この国ではこのαで何でも出来ると いう大切な経験をした)を払って、とにかく座席を確保した。
 
さてチェックインの段階になってパスポートを見せろと言われてこのマレー人が慌てだした。 第二の問題の発生だ。ポケットやかばんの中を捜してもパスポートが見当たらないのだ。1−2 時間前の国際空港での入国審査時に提示したばかりにもかかわらずパスポートが無くなったのだ。彼は荷物を私に預けてすぐさま国際空港まで戻って行った。彼が遺失物届け所でパスポートの 紛失を届けると、そこにいた係官が「俺にまかせろ。すぐに見つけてやる。但し500米ドルを払え。前払いだぜ」と言われた。パスポートは欲しいが金だけを取られてパスポートが出て こないケースを考えて,彼「金は後で払う」ことを約束するとその係官も最後には了承して近くの2−3の警察官と話をしていた。5分位して一人の制服の警察官が彼に近寄ってきて 「パスポートを探しているのはお前か?それはマレーシアのパスポートだろう。お前,ここへ 仕事で来たのか?パスポートが無いと困るだろう。」最後には「いくら払う?」とのやり取りが あって、結局彼は350米ドルを払って自分のパスポートを無事取り戻した。若し彼の パスポートが出てこなかったら、客先とのアポイントメントもあるので、私は彼を残して先に 一人でクマナへ向かう腹を決めていた。
 
私は彼がパスポート・コントロールの後、パスポートをジーンズのズボンの後ろポケットに 入れるのを目撃していた。おそらく税関検査の折に誰かに抜かれたのではないかと思う。これは税関検査官、警官,空港関係者全員がぐるになっての仕業としか思われない。彼は10数年前に新婚旅行で海外旅行を経験して今回が二度目の海外への出国経験(但しシンガポールを除く)であった。本人の不注意とはいえどもこれは彼にとって高い勉強代になった。
 
<<<教訓  パスポートとか財布は
ズボンの後ろポケットには絶対入れて置かないこと>>>
 
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