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あなたもまた狙われていますよ(No.8)
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木村 秀美 (日本人会)
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| 今回は数年前に東京から出張して来たいた同僚Sがオランダのアムステルダムで経験した実に巧妙な置き引きの被害についてのレポートです。 |
| Sと私はイワシを求めてアフリカの回教徒の国モロッコへ出張し、その帰途オランダに立ち寄りました。土埃で満ち溢れたモロッコのカサブランカ(一昔前にカサブランカというタイトルのラブロマンスの名画がありました)からアムステルダムに着いたのは金曜日でした。その夜は市内の某ファイブスターホテルの日本食レストランで久しぶりに刺身と寿司それに日本酒でいい気持ちになって(モロッコはマレーシアと同じくお酒は自由に飲むことは出来ません)ぐっすりと眠った翌日の早朝、私はSとホテルで別れてフランクフルト経由でシンガポール行きの飛行機に乗るため、アムステルダムを後にしました(アムステルダム−シンガポールの直行便もありますが料金が高いので経費節減で所要時間は多く掛かりますが、オランダからドイツ経由シンガポール行きの航空会社を選んだのです)。 |
| 一方、Sは午前10時に業者と会うために、私より遅れてチェックアウトして、ロビーで待っていました。10時を大分過ぎても相手が現れません。彼は少しイライラして、アタッシュ・ケースと小型の旅行カバンを手にして玄関の外で待っことにしました。カバン類を足元に置いて約束の時間から既に30分も経っていますがお目当ての人は姿を見せません。ちょうどその時です。旅行者らしき20代後半と思われる男性が右の方からSに近づい来て、何事か早口でまくしたてました。何事かとSはその旅行者に近寄ってよく聞くと彼はフランス語でしゃべっていました。Sは多少フランス語が分かってしかもしゃべれるので、尋ねられるまま街中の名所の説明をちょっとつたないフランス語で相手をしました。男は何度も同じことを聞くので、Sは自分の言っていることが通じていないと思って、ていねいにも地面に地図を書いて説明しました。5分位で男はSの説明が分かったのか分からなかったのかブスブス言いながらそこから去って行きました。 |
| そこでSは先程荷物を置いていた所へ戻って来るとなんとなんと旅行カバンと一緒に置いたアタッシュ・ケースだけが忽然と消えてしまっているではありませんか?これは後で気がついたのですが、くだんの男が右から近づいて来た時に反対の左の方から数人のグループが通り過ぎて行きました。なんとこの男はこのグループと仲間で行動して、まずSの注意を惹くために、わざわざ小声でしかもフランス語もどきで話し掛けて、その間に他の仲間が働きやすいように時間稼ぎをしたのです。盗まれたアタッシュ・ケースの中にはパスポート、航空券、数枚のクレジットカード、現金、電子手帳、メモ帳等が入っていました。直ぐに警察に盗難届を出しましたが、あいにくその日は土曜日で日本国大使館は休館でした。パスポートの申請は翌々日の月曜日まで待たねばなりませんでした。 |
| 一方私はSにオランダで早急に調べて連絡して貰いたいことがあったのですが、Sとは私が土曜日にマレーシアに帰ってきてから翌週の木曜日まで音信不通となりました。Sはアムステルダムでの仕事の後スコットランドにも回ることになっていたのでそちらへ連絡してもまだ着いていないとのことでした。木曜日になってやっと彼と連絡がついて私は前述の事件を知ったのです。 |
| Sは電話番号をすべて電子手帳に記録しています。でもこの電子手帳が手元になくなったので連絡も出来なかったのです。 |
| 又、彼はクレジット・カードを使用後は必ずアタッシュ・ケースに入れるというくせがあります。クレジット・カードについては、この時は偶然にもチェックアウトの時シャツの上着ポケットに入れていたので、その後のホテル代、食事代、その他の支払いがこのカードを使って出来たのです。 |
| 教 訓 |
| 1. 重要書類・貴重品が入っているアタッシュケース等自分の持ち物からは絶対に目を離さないこと。 |
| 2. 緊急連絡先の電話番号は別の手帳等に書いて置くこと。 |
| 3. クレジットカードは財布の中にまとめて持たずに分けて持つこと。 |
| (お詫び) |
| 前々号で「次号はオランダでの事件」とご案内してありましたが都合で
パプアニューギニアでの事件と入れ替わりました。 |