あなたもまた狙われていますよ(No.17)
 
木村 秀美(日本人会)
これはマレーシアに長期にわたって滞在している私のある友人Sが日本へ一時帰国した折に、東京の新宿で被害にあったという信じられない話です。私も同じような被害は ヨーロッパでは良くあると聞いていますが、東京の真っ只中の繁華街で起きた事件との ことでショックでした。
 
この友達Sは一人で新宿の商店街で買い物の後、ぶらぶらと歩いて駅の方に向かっていると、後ろから来た外国人が英語で何か話し掛けて来ました。日本人はとかく英語でしゃべりかけられると異常に反応するようですが、最初は相手にしませんでしたが、背中に何か付いているとのこと。彼は道の端に寄って、買い物袋地面に置いて背広を脱ぎました。 この時かの外国人は親切にも彼が背広を脱ぐのを手伝ってくれました。背広に付着しているのはトマトケチャップのようでした。
 
この時、別の外国人が現れて、最初の外国人に英語以外の言葉で何か話していました。 もちろん、Sには何を話しているのか皆目分りませんでした。この二人の外国人は自分のハンカチやテッシュペーパーを取り出してSの背広に付着したケチャップをふき取るのを手伝ってくれました。ケチャップが大体取れたところで、二人の外国人は去って行きました。彼はただ恐縮して、二人にいくども礼を言いました。
 
新宿の駅に来て、さて切符を買おうと思って背広の内ポケットに手を入れて財布を取り出そうとしましたが、ありません。ズボンのポケットにも入っていません。つい先程店で買い物をして支払いをしたばかりです。急いでいま来た道をとって返して路上に落としていないか、お店に忘れていないかをチェックしましたが、見つかりませんでした。近くの交番に行って財布の落し物の届けがないか聞きましたが、答えは「ノー」でした。落とす可能性を一つ一つチェックしていく内に(因みに彼の血液型はA)、彼は「あっ」と声を出しました。先程背広を脱いだ時以外には財布が背広の内ポケットから消えうせる機会はなかったことを、この時になって初めてSは自分がいわゆる「ケチャップ泥棒」の被害者となったことに気がついたのです。
 
私も比較的治安のいいマレーシアに13年間滞在していて、時に日本へ戻りますと、みなり、立ち振る舞い、特に歩くスピードが一般の日本人とちょと違っていることに気が付きます。Sも彼らにそこに目をつけられてこの被害にあったのかもしれません。
以上
 
【教訓】
@  危険は世界中どこにでもある。    
 
A 背広の内ポケットには財布を入れない。私は背広の内ポケットは深くして(昔の大きな      サイズのパスポートが入るぐらいの深さ)、しかもボタン止めではなく、チャックを付けて
      います。チャックがない場合は大きなフラップ付きのボタンにしています。ズボンの後ろ
      ポケットも掏られやすくてとても危険なことはご承知の通り。