あなたもまた狙われていますよ(No.19)
 
木村 秀美
つい先日当地滞在の或るメーカーの代表者が夕方車で帰宅途中にPASIR GUDANG ハイウェイを下りて、一般道路に入り、交通信号で停車中に後ろから来た車に意図的に 追突されて、この追突して来た車から出て来た4人組の強盗に顔や手を刃物で傷つけられた上、金銭を強奪されると言う事件が発生しました。
 
この事件に関連して、私がフイリッピンの首都マニラで日本からの出張者が経験した 市内で自動車強盗にあったことを思い出しました。時は今から20年前以上のことです。マニラは現在も10年前も20年前も余り変わっていません。この出張者はレストランやカラオケの多く集まるマビニ通り(当時この界隈はマニラでは有名でホットなナイトスポットの一つでした)で飲食後、真夜中に店の前に止まっていたタクシーに乗り込んで、 そこから2−30分離れたところにある日系のMホテルへ行くように運転手に指示しました。彼は割合英語が上手な方でマニラに来ても自分一人で何でも手配する人の部類に属しますが、いつも通る道とは多少違うなとは思いましたが、それを問いただすこともせず、先程までのおいしいお酒の余韻を楽しみながらウトウトとしていました。10分位走ったかと思われる頃、突然車が止まり両サイドのドアーが開いて二人組が乗り込んできました。最初は何事かとびっくりしましたが、強盗だと分るまでには相当な時間が(実際は数分の筈)必要だったと述懐していました。結局、所持していた金銭、時計、貴金属は全部持っていかれました。又、彼らはこの日本人が着ていたYシャツ、ズボン、靴までも持ってそのタクシーの車に乗って現場を立ち去りました。その場所は人通りも無く、タクシーも通っていなかったので、裸で表通りに出てタクシーを拾ってホテルへ戻りました。翌日会社に来た本人からこの話を聞いて、強盗に襲われた通りは確かにMホテルへ向かう道ではありましたが、裏通りでした。治安が悪くこの道路は通常は駐在員は言うに及ばず、タクシー運転手も利用しない道路でした。よく日本から出張して来ている人間とはいえ、この種のローカル・ノレッジ(現地事情)には通じていません。但し、彼は「このような場合には絶対に抵抗しない」と言う保身の術はチャント心得ていました。
 
ところで、皆さんは彼が乗っていた例のタクシーの運転手はどうなったのか知りたいと思われますが、車が止まった瞬間どこかに消えうせていました。
 
彼が幾分落ち着きを取り戻し、止まった車の前には通行を妨げる障害物が落ちていたのに気付いたのは、金品を盗まれ、暗い路上に裸で放り出され、強盗は車で逃げ去った後のことでした。運転手はこの障害物を見て、身の危険を感じて車とお客を放置して、逃げ出したのでしよう。或いはこれもよくあることですが、運転手は強盗と手を組んで、現場から車を置いて立ち去り、後で「あがり」の分け前を貰うと言うケースもあります。
 
【教訓】
1.  外地に住む私ども日本人はその地域の人たちと仲良くなり、いろいろな情報が入手で
       きるアンテナを出来るだけ高く張ることが大事です。国籍を問わず人の 言うことに耳
       を貸すことも必要です。    
 
 
2.   「命は一つです。大事にしなさい」「お金は取られても又働いて稼げばよい」と約10年
        前に亡くなった母に小さい時教えられました。