あなたもまた狙われていますよ(No.33)
木村 秀美

 ごく最近日本で実際に発生した事件―「おれだ、おれだ」詐欺とそれに似たような事件について書いてみたいと思います。

この詐欺事件は一人住まいの60代の女性の家に電話が掛かり、『俺だ。借金を払わねばならない。250万円をすぐに A 銀行の B 口座に振り込んでくれ』と言われ、電話は直ぐ切れた。その女性は息子からの電話だと思い、お金を振り込んだ。しばらくして、今度は『俺だ、俺だ。新しい商売を始めるのだが、資金が少し足りない。350万円を投資してくれ。お金は B 銀行の C 口座に振り込んで欲しい。』とのこと。この女性は弟からの電話だと思いその通りにお金を振り込んだ。

その後、息子と弟さんに会った時に『頼まれたお金は振り込んだが受け取ったか』と尋ねたら、そんな電話はしたこと無いし、お金も受け取っていないことが分かった。でもその時は既に後の祭りで、この女性の虎の子の600万は誰とも分からない『俺だ、俺だ』   という人にだまし取られたという話しです。

これとよく似た詐欺事件があります。以前にも一度書いたことがあると思いますが、昼間主人が出払っている家庭に電話が入りました。奥さんが電話口に出ると『私は X と言うものですが、ご主人の知り合いです。ご主人は先ほど交通事故に遭い、怪我をしているので病院へ運び込まれました。ご主人から、取りあえず、お金が要るので至急お金○○万円をこの口座へ振り込んで欲しいと家族に伝えて欲しいとの伝言です。』と言って電話はプツリと切れました。この奥さんはびっくり仰天して、早速お金の振込みのために銀行に出かけましたが、銀行のカウンターが混んでいたので、ご主人の事故についてのさらに詳しい事情が聞きたかったため、ご主人の会社に電話を入れたら、怪我をして入院している筈のご主人が電話口に出て来ました。ご主人と直接話した結果、本人は交通事故にも遭っていなくて、ましてや入院もしていないことが判明しました。もしこの時奥さんが会社に電話をしなかったら、奥さんは何の疑いもなく、お金を振り込んで、誰かにお金を持っていかれる羽目になっていました。電話一本の確認で奥さんは詐欺の被害の難を逃れたのです。

 関係当事者によって本来守られるべき個人情報が本人の知らない間に漏れることの多い昨今です。常日頃、個人情報の提供とお金に関することは念には念を入れて相手の確認してから行動する習慣を付けたいものです。


以上